2013/1/21

総合 –EUウオッチャー

アイスランドとEUの加盟交渉、総選挙終了まで凍結

この記事の要約

アイスランド政府は14日、EUとの加盟交渉を4月の総選挙が終了するまで凍結すると発表した。漁業など重要分野での交渉が選挙を意識して拙速に運ばれるのを防ぐためで、新政権に権限を委ねる形となる。\ 2011年に始まったEUと […]

アイスランド政府は14日、EUとの加盟交渉を4月の総選挙が終了するまで凍結すると発表した。漁業など重要分野での交渉が選挙を意識して拙速に運ばれるのを防ぐためで、新政権に権限を委ねる形となる。

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2011年に始まったEUとアイスランドの加盟交渉では、35に上る交渉分野のうち、これまでに27分野で交渉を開始し、うち11分野が完了している。しかし、漁業、農業政策などアイスランドにとって大きな意味を持つ分野の交渉は始まっておらず、今後にヤマ場を迎えることになる。とくに漁業に関しては、EUより厳しく漁業資源を管理しならが保全してきた漁業水域の統制権をどこまで保持できるか、捕鯨継続の是非をめぐって難しい協議が予想される。

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アイスランド政府は、漁業、農業、起業の自由、資本の自由な移動の4分野について、総選挙終了まで交渉開始を凍結。すでに交渉を開始している分野については続行するが、交渉完了の決定は見送る。

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4月27日に予定されている総選挙では、中道左派の社会民主同盟と左派・緑運動による左派連立政権に代わって、中道右派の独立党を中心とする連立政権が発足する可能性が高い。独立党はEU加盟に懐疑的であることから、同党が政権を奪取すると加盟交渉で強硬な立場をとり、交渉が長引くことが予想される。

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