2013/2/11

産業・貿易

中国が太陽光発電用ガラスでもダンピングか、EU業界団体が調査を要請

この記事の要約

EU内の太陽光発電用ガラスメーカーの業界団体である「EUプロサン・ガラス」は5日、中国製品に対する反ダンピング(不当廉売)調査の開始を欧州委員会に要請したことを明らかにした。太陽光発電設備をめぐっては、太陽光パネルなどで […]

EU内の太陽光発電用ガラスメーカーの業界団体である「EUプロサン・ガラス」は5日、中国製品に対する反ダンピング(不当廉売)調査の開始を欧州委員会に要請したことを明らかにした。太陽光発電設備をめぐっては、太陽光パネルなどでEUと中国が互いに反ダンピング、反補助金調査を開始する事態となっており、今回の動きで同分野の通商摩擦が一段と激化することになる。

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EUプロサン・ガラスは、生産過剰に陥っている中国の太陽光発電用ガラスメーカーが、政府の補助金に支えられ、製品を原材料コストさえ下回る不当な廉価でEUに輸出し、域内メーカーに打撃を与えているとして、欧州委に反ダンピング調査の開始を求めている。欧州委は45日以内に調査開始の可否を判断する。

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欧州委員会は昨年9月、EUの太陽光パネルメーカーの業界団体「EUプロサン」が、中国の太陽光パネルメーカーが公的支援を後ろ盾にして、製品をEUに不当な廉価で輸出し、域内の業界に大きな打撃を与えているという苦情を申し立てたことを受けて、反ダンピング調査を開始。EUプロサンは反補助金調査の開始も求めている。

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これに反発する中国は11月、対抗措置としてEUが輸出する太陽光パネル向けの多結晶シリコンに対する反ダンピング、反補助金調査を開始。さらに、EU加盟国の一部が域内で生産された太陽光パネルを使った発電に不当な優遇措置を提供しているとして、EUを世界貿易機関(WTO)に提訴している。

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