2013/3/4

競争法

欧州委がマイクロソフトに制裁へ、ブラウザー提供めぐる問題で

この記事の要約

欧州委員会は米マイクロソフトがインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)の提供に関する是正措置を実行していないとして、同社に対して3月末までに制裁金を課す方針を固めたもようだ。ロイター通信が2月28日、事情に詳しい3人の関係 […]

欧州委員会は米マイクロソフトがインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)の提供に関する是正措置を実行していないとして、同社に対して3月末までに制裁金を課す方針を固めたもようだ。ロイター通信が2月28日、事情に詳しい3人の関係者の話として報じた。

\

欧州委は2009年1月、マイクロソフトのパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」と閲覧ソフト「インターネット・エクスプローラー(IE)」の抱き合わせ販売がEU競争法に違反するとして、同社に異議告知書を送った。マイクロソフトはこれを受け、向こう5年間にわたり、EU域内のウィンドウズ利用者が手軽に競合他社の閲覧ソフトを選べる「選択画面」を搭載する改善策を提案。欧州委もこれを受け入れ、同年12月にマイクロソフトに対する調査を打ち切った。

\

しかし、欧州委は12年7月、マイクロソフトが11年2月にリリースした「ウィンドウズ7・サービスパック1」には選択画面が搭載されておらず、発売時から約1年半の間、およそ2,800万人のユーザーに同機能が提供されなかった可能性があると指摘し、改めて同社に対する調査に着手。昨年10月にマイクロソフトが欧州委との合意を遵守しなかったとの予備的見解をまとめ、同社に異議告知書を送付した。

\

ロイター通信によると、関係者の1人は「欧州委は(3月末の)イースター休暇の前にマイクロソフトに制裁金を課すことを考えている」と発言。ただし、手続き上の問題で決定が先送りされる可能性があるとつけ加えた。欧州委競争総局のコロンバーニ報道官はコメントを控えている。

\

マイクロソフトは異議告知書を受け、「技術的なエラー」のため指摘された期間に閲覧ソフトの選択画面が表示されなかったことを認めたうえで、再発防止に向けてチェック体制を強化したと説明している。しかし、同社は04年に競争法違反と認定された際に欧州委から命じられた技術情報の開示などの是正措置を遵守していないとして、08年に多額の制裁金を課された経緯がある。是正命令に対する違反はマイクロソフトにとって2回目となるため、欧州委は同社に対して厳しい措置を取るものとみられる。

\