2013/3/11

総合 –EUウオッチャー

スロベニアがクロアチアのEU加盟承認へ、懸案の預金問題で合意

この記事の要約

スロベニア政府は7日、クロアチアのEU加盟を認める方針を打ち出した。両国間の懸案となっていた銀行預金返還問題の処理について合意したことを受けたもの。これによってスロベニアはクロアチアとEUの加盟条約批准を約束。クロアチア […]

スロベニア政府は7日、クロアチアのEU加盟を認める方針を打ち出した。両国間の懸案となっていた銀行預金返還問題の処理について合意したことを受けたもの。これによってスロベニアはクロアチアとEUの加盟条約批准を約束。クロアチアは予定通り今年7月1日にEU加盟国となることが確実となった。

\

問題となっていたのは、クロアチアの預金者がスロベニアのリュブリャナ銀行に預けていた約2億7,000万ユーロ相当の外貨預金。両国が1991年にユーゴ連邦から独立した際、リュブリャナ銀行がクロアチアでの業務を閉鎖したことから、預金者は払い戻しを受けられない状態となっている。

\

クロアチア政府はリュブリャナ銀行の後継銀行であるスロベニア国営ノバリュブリャナ銀行に払い戻しを求めたが、スロベニア政府の拒否で対立が続き、スロベニアがクロアチアの加盟条約を批准しない要因となっていた。

\

両国政府は7日、クロアチアが同問題をめぐる訴訟を取り下げ、スイスのバーゼルにある国際決済銀行(BIS)に処理を委託することで合意。これを受けてスロベニア側は加盟条約批准手続きに入ることを決めた。

\

クロアチアは2005年12月にEUとの加盟交渉を開始し、11年12月のEU首脳会議で加盟条約に調印。今年7月に正式加盟する予定だが、EU全加盟国が条約を批准することが前提となる。

\

これまでにEU27カ国のうち22カ国が批准を完了し、ドイツ、オランダ、ベルギー、デンマークが批准作業を開始。スロベニアだけが批准に着手していなかった。

\