欧州系格付け会社フィッチ・レーティングスは8日、イタリア国債の長期信用格付けを「Aマイナス」から1段階引き下げ、「BBBプラス」にしたと発表した。2月の総選挙で上下院がねじれ状態となり、政局が混迷していることを受けたもの。格付け見通しも「ネガティブ(弱含み)」とし、さらなる格下げを示唆した。
\「BBBプラス」は、あと3段階下がると投資不適格級となる水準。フィッチは声明で、総選挙の結果、安定した新政権が近く発足するのは困難で、財政赤字削減に向けた構造改革が停滞する恐れがあることや、景気後退が続いていることを格下げに理由に挙げた。
\フィッチはイタリアの今年の成長率はマイナス1.8%になると予想。公的債務が国内総生産(GDP)に占める割合は昨年の127%から130%に膨らむと見込んでいる。
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