2013/3/18

総合 –EUウオッチャー

欧州議会がEU次期中期予算の承認拒否、厳しい条件を要求

この記事の要約

欧州議会は13日に開いた本会議で、EU加盟国が合意したEUの次期中期予算(対象期間:2014~20年)の承認を拒否する決議を賛成多数で採択した。欧州議会は受け入れに厳しい条件を突きつけていることから、加盟国側との調整が難 […]

欧州議会は13日に開いた本会議で、EU加盟国が合意したEUの次期中期予算(対象期間:2014~20年)の承認を拒否する決議を賛成多数で採択した。欧州議会は受け入れに厳しい条件を突きつけていることから、加盟国側との調整が難航するのは必至で、同予算の成立はさらにずれ込む見通しだ。

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加盟国が2月の首脳会議で合意した中期予算の規模は、現行中期予算(2007~13年)を約1.6%下回る9,599億8,800万ユーロ。欧州委員会は5%増の1兆330億ユーロを提案していたが、欧州の債務危機を受けて各国が財政緊縮を進める中、英国などが増額に強く反対し、初の減額予算となった。

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同予算成立には欧州議会の承認が必要。成長促進のため予算増額を主張していた欧州議会は決議で、加盟国が合意した予算規模は受け入れるものの、承認の条件として予算の弾力的な運用を要求。具体的には◇来春に実施される欧州議会選挙後に、経済状況を考慮しながら増額を含めた予算見直しを実施する◇未消化の単年予算について、拠出国に返納する現行システムを改め、翌年への繰り越しや、状況に応じ使途変更できるようにする◇技術革新、研究開発、教育分野などへの配分を増やす――ことなどを求めている。

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加盟国と欧州議会は夏前の合意を目指して交渉に入るが、加盟国側が事実上の予算増額につながる欧州議会の要求を受け入れるのは難しい情勢で、合意が14年にずれ込む可能性も取りざたされている。

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