2013/3/18

環境・通信・その他

ミツバチ保護の農薬規制、合意に至らず

この記事の要約

ミツバチ保護のための農薬規制をめぐり、加盟国の意見が分かれている。欧州委員会はネオニコチノイド系農薬3種の使用禁止を提案しているが、加盟国が15日に行った採決では過半数の支持を得ることができず、結論を持ち越した。加盟国が […]

ミツバチ保護のための農薬規制をめぐり、加盟国の意見が分かれている。欧州委員会はネオニコチノイド系農薬3種の使用禁止を提案しているが、加盟国が15日に行った採決では過半数の支持を得ることができず、結論を持ち越した。加盟国が2カ月以内に合意に至らない場合は、欧州委の裁量に委ねられることになり、規制を強行導入する可能性もある。

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ネオニコチノイド系農薬は近年、世界各地で深刻化しているミツバチが突然大量に失踪する「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されており、仏、独、伊などでは以前から使用が制限されている。欧州委は1月、欧州食品安全機関(EFSA)がまとめた調査報告書で、ネオニコチノイド系農薬と蜂群崩壊症候群との関連性については「十分なデータがない」としながらも、同農薬がミツバチの中枢神経系に作用して麻痺や死をもたらすリスクがあると指摘したことを受けて、規制案を発表。独バイエルの農薬部門クロップサイエンスのクロチアニジンとイミダクロプリド、シンジェンタのチアメトキサムの3種の農薬について、冬策穀物や砂糖大根などミツバチ誘引性がない作物を除く全農作物への使用を7月1日から2年間禁止する方針を打ち出していた。

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同規制案に対しては、農薬メーカー側がネオニコチノイド系農薬と蜂群崩壊症候群との因果関係が立証されてないと反発している。加盟国でも規制に慎重な国が多く、ロイター通信によると15日の採決では13カ国が賛成したものの、9カ国が反対、英国、ドイツなど3カ国が棄権に回り、決定に至らなかった。

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