2013/4/15

産業・貿易

ギリシャ1・2位銀の合併凍結、資本増強の難航で

この記事の要約

合併で合意しているギリシャ最大手銀行のギリシャ・ナショナル銀行(NBG)と同2位のユーロバンクは8日、政府から合併手続きの凍結を命じられたことを明らかにした。前提となる資本増強が困難となっているためで、合併を白紙化して国 […]

合併で合意しているギリシャ最大手銀行のギリシャ・ナショナル銀行(NBG)と同2位のユーロバンクは8日、政府から合併手続きの凍結を命じられたことを明らかにした。前提となる資本増強が困難となっているためで、合併を白紙化して国有化される可能性が出てきた。

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ギリシャの銀行は保有するギリシャ国債の評価損や景気不振で経営が悪化しており、同国政府は合併による体力強化を呼びかけている。これを受けてNBGは2月、株式交換によってユーロバンクの株式84.3%を取得。正式な合併に向けた手続きを進めていた。

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合併の障害となっている資本増強は、ギリシャ中銀が昨年12月にまとめた報告書で、ギリシャ・ナショナル銀行は98億ユーロ、ユーロバンクは58億ユーロの資本不足に陥っていると指摘したことから、政府が求めているもの。大部分は政府がEUと国際通貨基金(IMF)から受けた金融支援の投入によって賄うが、両行とも必要額の10%以上を民間から調達しなければならない。

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合併手続きの凍結は、この民間からの資金調達が難航していることから、両行が政府の金融安定基金(HSFS)への資本注入要請を迫られる可能性が浮上してきたため。

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8日のアテネ株式市場では、HSFSから資本注入を受けると国有化されることから、両行の株式を売る動きが加速。株価は一時、前営業日に終値から30%も急落し、ストップ安となった。

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