2013/4/15

産業・貿易

EUのCDS規制、IMFが批判

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は11日、EUがクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の「裸の空売り」を禁止したことを批判する報告書を発表した。必要性が認められず、逆に金融市場の流動性を損なっているとして、EUに見直しを促して […]

国際通貨基金(IMF)は11日、EUがクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の「裸の空売り」を禁止したことを批判する報告書を発表した。必要性が認められず、逆に金融市場の流動性を損なっているとして、EUに見直しを促している。

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CDSは公社債などの信用リスクを取引する仕組み。EUは2010年、金融危機再発防止策の一環として、投機性が高いCDS の規制に着手し、現物による裏付けがない「裸の空売り」を2012年11月1日付で禁止した。

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空売りは現物を保有しないまま行う取引を指すが、「裸の空売り」では現物を保有しないだけでなく、貸し株など現物手当てが一切ない。これによってCDSが投機目的で多用され、ユーロ圏の信用不安を招く一因となったとして、EUは禁止に踏み切った。

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これに関してIMFは、19日に開催される年次総会を前にまとめた報告書で、CDSの「裸の空売り」が、他の金融取引と比べて金融市場を不安定にさせるという証拠はなく、EUの禁止措置を支持する根拠はないと指摘。逆に、信用リスクに対する保険の役割を果たすCDSの規制によって金融市場の流動性が損なわれ、起債コストの増大を招くという弊害が大きいとして、「禁止措置は誤った方向に動いている」と総括した。

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