2013/5/6

競争法

欧州委、プジョーの再建計画を調査

この記事の要約

欧州委員会は2日、仏自動車大手PSAプジョー・シトロエンの再建計画について、EU国家補助規定との整合性を精査するための本格調査に着手したと発表した。欧州委は仏政府による資金支援が域内の自動車市場における公正な競争を阻害し […]

欧州委員会は2日、仏自動車大手PSAプジョー・シトロエンの再建計画について、EU国家補助規定との整合性を精査するための本格調査に着手したと発表した。欧州委は仏政府による資金支援が域内の自動車市場における公正な競争を阻害しないか、また、大規模な人員削減や工場閉鎖を通じて長期にわたり安定した財務基盤を確保することが可能かなどに重点を置いて調査を進める。

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プジョーは債務危機の影響で欧州での販売不振に直面しており、2013年第1四半期の西欧市場における新車販売台数は前年同期比10%減と落ち込んだ。同社はパリ郊外にあるオルネー・ス・ボワ工場の閉鎖などで向こう2年間に仏国内で17%の人員削減を計画しており、一連のリストラ策を通じて15年までに自力での再建が可能としている。

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仏政府はプジョーに対する再建支援策として、昨年10月に金融子会社であるバンクPSAファイナンス(BPF)への新規融資に最大70億ユーロの政府保証をつけることで合意した。BPFが半年以内に発行する3年債が保証の対象で、銀行からの借入コストを抑えて自動車ローン金利を抑制するのが狙い。欧州委は今年2月、このうち3月に発行した12億ユーロ相当の新発債について暫定的に承認し、グループ全体の再建計画を精査したうえで承認の是非を最終判断するとしていた。政府保証に加えて総額8,590万ユーロの補助金および融資も調査の対象となる。

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