2013/5/21

産業・貿易

漁業相理が漁獲物の投機禁止で合意、CFP改革が一歩前進

この記事の要約

EU加盟国は15日の漁業相理事会でEU共通漁業政策(CFP)の改革案について協議し、2016年までに漁獲物を海に投棄する行為を禁止することで合意した。欧州議会の承認を経て新ルールを導入する。\ 欧州委員会によると、地中海 […]

EU加盟国は15日の漁業相理事会でEU共通漁業政策(CFP)の改革案について協議し、2016年までに漁獲物を海に投棄する行為を禁止することで合意した。欧州議会の承認を経て新ルールを導入する。

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欧州委員会によると、地中海で漁獲される水産資源の約80%、大西洋でも47%で乱獲による個体数の減少が続いており、持続可能な漁業を実現するには早急にEUレベルで水産資源保護の取り組みを強化する必要がある。欧州委は2年前、水産資源の乱獲をなくして持続可能な漁獲水準を確保するためのCFP改革案を発表。2015年までに水産資源を減らすことなく、漁獲量を最大化する「最大維持可能漁獲量(MSY)」の確保を目標に掲げ、実現に向けた具体策として◇各国政府が個々の漁業者に漁獲枠を割り当て、国内で漁獲枠を取引できるシステムを導入する◇16年までに市場価値が低いなどの理由で漁獲物を海に投棄する行為を禁止し、漁獲物がすべて水揚げされたかどうかを監視するためのモニターの搭載を義務付ける――などを提案していた。

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漁業相理では改革案に盛り込まれたルールのうち、漁獲物の投棄禁止で合意が成立した。サバとニシンについては15年、その他の魚種については原則として16年までに海への投棄が禁止される。ただし、移行期間として当面は漁獲量の最大5%まで投棄が容認される。欧州委によると、現在はEU全体で漁獲物の4分の1以上が海に投棄され、その多くが死んでいるという。

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