2013/6/10

環境・通信・その他

EU-ETSに転換可能な炭素クレジット、欧州委が大幅削減か

この記事の要約

欧州委員会は5日までに、EU加盟国が2008-20年に排出量取引制度(EU-ETS)の削減分として充当できる国際炭素クレジットを定めた法案をまとめたもようだ。ブルームバーグが伝えた。EU-ETS第2期間(08年-12年) […]

欧州委員会は5日までに、EU加盟国が2008-20年に排出量取引制度(EU-ETS)の削減分として充当できる国際炭素クレジットを定めた法案をまとめたもようだ。ブルームバーグが伝えた。EU-ETS第2期間(08年-12年)に対象施設が達成した削減分のうち、京都議定書により取引が認められているクリーン開発メカニズム(CDM)および共同実施(JI)プロジェクトを通じて得たクレジットからの転換が10億トンに達し、今年1月時点で余剰排出枠が累計20億トンを超えたことから、欧州委は利用できる京都メカニズムのクレジットを大幅に制限する方針という。

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ブルームバーグによると、欧州委はEU-ETSの対象施設が08-20年に活用できる京都クレジットを、08-12年に無償配分された排出枠の最大11%に制限することを提案している。一方、08年以降にスキームに参加した施設や、12年以降に新たに規制対象となったセクターの施設に関しては、13-20年に達成した削減分の4.5%が上限となる。ただし、12年以降にEU-ETSに組み込まれたセクターのうち、航空部門については上限が1.5%に設定されている。

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加盟国は今月末の気候変動委員会で欧州委の提案について協議する見通し。同委で承認された後、欧州議会とEU閣僚理事会で審議が行われる。

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クリーンエネルギー市場に関する分析サービスを提供するブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのアナリスト、リチャード・チャタートン氏は「最終的な数値が決定されるのは年末になる見通しだが、EU-ETSに転換できるクレジットの上限は市場の予想を大幅に下回る水準に抑えられるだろう」と述べている。

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