2013/6/24

産業・貿易

太陽光パネルのダンピング問題で協議継続、EU・中国の当局者が方針確認

この記事の要約

欧州委員会のデフフト委員(通商担当)は21日、北京で中国の高虎城商務相と会談し、中国製の太陽光パネルをめぐる摩擦の解消に向けて協議を継続することで一致した。双方はEUが反ダンピング(不当廉売)関税の引き上げに踏み切る8月 […]

欧州委員会のデフフト委員(通商担当)は21日、北京で中国の高虎城商務相と会談し、中国製の太陽光パネルをめぐる摩擦の解消に向けて協議を継続することで一致した。双方はEUが反ダンピング(不当廉売)関税の引き上げに踏み切る8月6日までの合意を目指し、EU市場で販売される中国製太陽光パネルの数量制限や最低輸入価格の設定を軸に妥協点を模索するものとみられる。

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デフフト委員は会談後の共同会見で、これまでのところ事態打開に向けた突破口は見いだせておらず、紛争解決にはある程度の時間が必要と指摘。そのうえで「調査段階からくり返し述べているように、EUは交渉による解決を望んでいるが、それにはダンピングによるEU側の損害を取り除くとの中国側の約束が前提になる」と述べ、友好的な解決に向けて引き続き妥協点を探る意向を示した。一方、高商務相は「前向きで建設的な話し合いができた」と強調。「双方とも交渉を通じて問題を解決する明確な意思を持っており、引き続き受け入れ可能な合意形成を目指す」と述べた。

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EUは今月4日、中国製の太陽光パネルに対し、6日から暫定的な反ダンピング税を課すことを正式決定した。当初は税率を47.6%とする計画だったが、中国側の報復措置を懸念して、加盟国のうち英国、ドイツなど18カ国が反対を表明ことから、交渉による解決の余地を残すため、最初の2カ月は税率を11.8%に抑え、その間に中国側が是正に応じなければ47.6%に引き上げる方針に転換した。

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これに対し、中国側は今月5日、EU産ワインに対する反ダンピング調査の開始を発表した。これはワイン輸出国のフランスなどに揺さぶりをかけ、太陽光パネルをめぐる交渉でEU側に譲歩を迫る狙いがあるとみられる。さらに欧州自動車工業会(ACEA)は7日、中国商務省にEU製の高級車に関する反ダンピング調査の要請があったとの情報を得たことを明らかにしている。

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