2013/7/15

産業・貿易

EUがロシアをWTOに提訴、廃車処理税めぐり

この記事の要約

EUは9日、ロシアが輸入車に課している廃車処理税(リサイクル税)は不当だとして、世界貿易機関(WTO)協定に基づく協議を要請した。ロシアが提訴されるのは、昨年8月のWTO加盟以来初めて。\ ロシア政府が昨年9月に導入した […]

EUは9日、ロシアが輸入車に課している廃車処理税(リサイクル税)は不当だとして、世界貿易機関(WTO)協定に基づく協議を要請した。ロシアが提訴されるのは、昨年8月のWTO加盟以来初めて。

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ロシア政府が昨年9月に導入したリサイクル税は、廃車の際の手数料の名目で徴収するもので、乗用車の場合、新車は420~2,700ユーロ、3年以上の中古車は2,600ユーロ~1万7,200ユーロが徴収される。ただ、ロシアで製造される車や関税同盟加盟国(ベラルーシ、カザフスタン)からの輸入車は課税対象外となっており、EUはかねてから同税が貿易における無差別原則を掲げるWTO協定に違反しているとの懸念を示していた。協議要請はWTOの紛争解決手続きの第一段階に当たり、EUとロシアは是正に向けた協議を行う。60日以内に合意に至らない場合、WTOにパネル設置を要請し、準司法的な仕組みで紛争を解決する。

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欧州委のデフフト委員(通商担当)は、「欧州委は、ほぼ1年のも間あらゆる外交チャネルを使ってロシア側とこの問題を解決しようと努力してきたが、その努力は無駄に終わった。リサイクル税は輸入品の差別を禁じる最も基本的なWTOの規則と相容れない」と批判。問題の早期解決に向けた協議に入るようロシア側に呼びかけた。

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EUは昨年、100億ユーロ相当の自動車をロシアに輸出した。欧州委によると、リサイクル税の導入以降、EUからロシアへの輸出は7%減少したという。

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