2013/7/15

産業・貿易

EU・米がF TA交渉の第1回会合、14年中の妥結目指し協議加速へ

この記事の要約

EUと米国は8日-12日にワシントンで自由貿易協定(FTA)締結に向けた第1回交渉を行い、2014年中の妥結を目指して迅速に協議を進めることで一致した。世界における貿易総額の約3割を占める巨大貿易圏の創設に向け、10月に […]

EUと米国は8日-12日にワシントンで自由貿易協定(FTA)締結に向けた第1回交渉を行い、2014年中の妥結を目指して迅速に協議を進めることで一致した。世界における貿易総額の約3割を占める巨大貿易圏の創設に向け、10月にブリュッセルで2回目の会合を開く。

\

「環大西洋貿易投資協定(TTIP)」と命名された協定はEU・米間で関税撤廃、投資の自由化、幅広い分野での規制の統一などを実現し、経済成長や雇用創出につなげる狙いがある。会合では政府調達、自動車や医療機器などの相互認証、知的財産権保護、食品の安全規制、植物検疫など幅広い分野を取り上げ、今後の交渉の進め方などを検討した。

\

欧州委員会のガルシア=ベルセロ首席交渉官は会議後の会見で、「米国とEUは高いレベルの自由化を目指す方針を再確認した。EU側としては極めて生産的な協議だった」と強調。米通商代表部(USTR)のマラニー首席交渉官は「会合では率直で実質的な話し合いが行われた。われわれは楽観的な見通しを持っている」と述べた。

\

EUと米国は今年2月にFTA交渉を開始することで基本合意し、それぞれ交渉入りに向けて必要な手続きを進めてきた。EUは自国の文化産業の保護を訴えるフランスなどの主張を受け入れ、当面は映画やテレビなど音響映像サービス分野を交渉から除外する方針を決めており、米側が強く反発している。また、遺伝子組み換え(GM)作物に対する規制をはじめとする農業や食品安全などの分野でも利害対立は必至で、双方の交渉担当官は厳しい交渉になるとの見方を示している。

\