2013/8/5

産業・貿易

加盟国がフェロー諸島への制裁を承認、ニシン乱獲問題で

この記事の要約

EU加盟国は7月31日、ニシンの乱獲を続けるフェロー諸島に対する制裁措置を承認した。フェロー諸島からのニシンの輸入禁止や同国の漁船の寄港拒否などが実施される可能性がある。\ 北大西洋に生息するタイセイヨウニシをめぐっては […]

EU加盟国は7月31日、ニシンの乱獲を続けるフェロー諸島に対する制裁措置を承認した。フェロー諸島からのニシンの輸入禁止や同国の漁船の寄港拒否などが実施される可能性がある。

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北大西洋に生息するタイセイヨウニシをめぐっては、EU、フェロー諸島、ロシア、ノルウェー、アイスランドの沿岸国が協議して漁獲枠を設定してきたが、フェロー諸島が自国水域におけるニシンの生息数が増加したことを理由に協議から脱退。一方的に2013年の漁獲枠を12年比で145%引き上げたため、他の沿岸国から反発の声があがっていた。

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欧州委員会のダマナキ委員(漁業・海事担当)は、「状況の深刻さとフェロー諸島当局の非協力的な態度により、すべての沿岸国の共同管理による持続的なニシン漁を確保するために必要なあらゆる手段を取らざるをえなかった」と説明した。欧州委は今月中にフェロー諸島に対する制裁を発動するかどうかの最終判断を下す方針だ。一方、フェロー諸島のヨハネセン首相は、EUの「高圧的な経済的措置」は違法であり非生産的だと批判。沿岸国の多角的交渉よって問題を解決すべきだと主張している。

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EUは昨年、「持続不可能な漁業」を行う国に対する制裁措置を可決した。措置には、乱獲されているとEUが判断した魚類の輸入禁止や、持続不可能な漁業を行なっている国の船舶の寄港を制限することなどが含まれる。EUは北大西洋のサバ漁をめぐってもアイスランドとフェロー諸島と争っており、制裁を辞さない構えを見せている。

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