2013/8/26

総合 –EUウオッチャー

EUがエジプトへの武器輸出を凍結、臨時外相理事会で合意

この記事の要約

EUは21日に開いた臨時外相理事会で、エジプトへの武器輸出を一時停止することで合意した。治安部隊とモルシ前大統領支持勢力との衝突により多数の死者が出ていることを受け、暫定政権に圧力をかけるのが狙いで、経済支援の見直しも検 […]

EUは21日に開いた臨時外相理事会で、エジプトへの武器輸出を一時停止することで合意した。治安部隊とモルシ前大統領支持勢力との衝突により多数の死者が出ていることを受け、暫定政権に圧力をかけるのが狙いで、経済支援の見直しも検討する。ただ、人道的支援については市民社会への悪影響を懸念し、基本的に継続する方針だ。

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エジプトでは先月、事実上のクーデターの後、軍の主導により暫定政府が発足した。解任されたモルシ前大統領の出身母体であるイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は、モルシ氏の復権を求めて激しい抗議活動を展開。今月14日に治安部隊がモルシ派のデモ隊を強制排除して以降、一連の衝突による死者は800人を超えている。

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EUのアシュトン外交安全保障上級代表は外相理事会後の記者会見で、「最も打撃を受けやすい市民社会などへの支援は継続すべきとの理解のもと、対エジプト支援を見直すことで一致した」と述べ、同国内で抑圧のために使用されるおそれのある武器の輸出許可を一時的に差し止めることを明らかにした。一方、昨年に打ち出した総額50億ユーロの資金援助を停止するかについては、検討を続けるとして結論を先送りにした。

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EUはまた、事態収拾に向け暫定政府とムスリム同胞団による政治的対話を促す。仲介役として先月に2度カイロを訪問したアシュトン上級代表は3度目の訪問にも意欲を見せ、すべての当事者に政治的解決に向けた包括的プロセスに協力するよう呼びかけた。また、ヴェスターヴェレ独外相も「欧州の影響力は確かに限られているが、限定的な影響力であっても行使する必要がある」と語った。

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