2013/9/16

競争法

欧州委、サムスンに追加是正策を要求

この記事の要約

韓国サムスン電子が保有するスマートフォンに関連した「必須標準特許」の扱いをめぐり、欧州委員会が競争法違反の疑いで調査を進めている問題で、同委の報道官は9日、サムスンが提示した改善策が十分ではないとして追加の是正策を求めて […]

韓国サムスン電子が保有するスマートフォンに関連した「必須標準特許」の扱いをめぐり、欧州委員会が競争法違反の疑いで調査を進めている問題で、同委の報道官は9日、サムスンが提示した改善策が十分ではないとして追加の是正策を求めていることを明らかにした。サムスンが提案した改善策の内容など詳細は不明だが、同社は年間売上高の最大10%(2012年実績で約183億ドル)に相当する制裁金を回避するため、引き続き欧州委との和解を模索するものとみられる。

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問題となっているのは、サムスンが保有する第3世代携帯電話(3G)の通信規格「UMTS」に関連した特許。同社は欧州における電気通信分野の標準化団体である欧州電気通信標準化機構(ETSI)に対し、スマートフォンなどの開発に不可欠な標準必須特許に関しては、いわゆる「FRAND」と呼ばれる「公正、合理的、非差別的」な条件で他社に使用を許諾することを約束していた。しかし、サムスンは米アップルによる特許侵害を主張し、10カ国以上で「iPhone」をはじめとするアップル製品の販売差し止め訴訟を起こしている。欧州委は昨年12月、FRAND条項を順守せず、特許侵害を理由にライバルのアップルを市場から締め出そうとするサムスンの行為はEU競争法で禁止された市場支配的地位の乱用に当たるとの見解をまとめ、同社に対して異議告知書を送付した。

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欧州委のトッド報道官はロイター通信の取材に対し、「サムスンから提案があり、欧州委がそれらを評価してさらに改善を求めたことは確かだ」と述べた。ただし、サムスン側の提案や、欧州委が求めている改善点など詳細については言及を避けた。ロイターは6月の段階で、サムスンが制裁を回避するため、欧州委との間で和解に向けた話し合いを進めているとする関係者の話を報じていた。

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