2013/9/30

競争法

サムスンが欧州委に追加の是正策

この記事の要約

スマートフォンに関連した「必須標準特許」の扱いをめぐり、欧州委員会が韓国サムスン電子に対して調査を進めている問題で、同委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は27日、サムスン側から和解に向けて追加的な是正策が提示されたこ […]

スマートフォンに関連した「必須標準特許」の扱いをめぐり、欧州委員会が韓国サムスン電子に対して調査を進めている問題で、同委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は27日、サムスン側から和解に向けて追加的な是正策が提示されたことを明らかにした。具体的な提案内容は不明だが、欧州委は近く市場テストを実施して利害関係者から意見を聞き、是正策の妥当性を判断する。

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問題となっているのは、サムスンが保有する第3世代携帯電話(3G)の通信規格「UMTS」に関連した特許。同社は欧州における電気通信分野の標準化団体である欧州電気通信標準化機構(ETSI)に対し、スマートフォンなどの開発に不可欠な標準必須特許に関しては、いわゆる「FRAND」と呼ばれる「公正、合理的、非差別的」な条件で他社に使用を許諾することを約束していたにもかかわらず、米アップルによる特許侵害を主張して10カ国以上で「iPhone」をはじめとするアップル製品の販売差し止め訴訟を起こしている。

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欧州委は昨年12月、FRAND条項を順守せず、特許侵害を理由にライバルのアップルを市場から締め出そうとするサムスンの行為は市場支配的地位の乱用に当たるとの見解をまとめ、同社に対して異議告知書を送付した。最終的に競争法違反と認定された場合、サムスンは年間売上高の最大10%(2012年実績で約183億ドル)に相当する制裁金の支払いを命じられる可能性があるため、同社は和解に向けて欧州委に改善策を提示した。しかし、同委は内容が不十分として追加の是正策を求めていた。

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アルムニア副委員長は訪問先のニューヨークで講演し、「長期にわたる協議の末、サムスン側から欧州委の懸念に対応するための是正策が提示された。数週間以内に市場テストを開始し、利害関係者から意見を聞く」と述べた。サムスンが具体的にどのような改善策を提案しているかについては言及を避けたが、同氏は「欧州委の判断が標準必須特許の扱いに関して業界全体に透明性をもたらすことになる」と強調した。

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