2013/9/30

競争法

テレフォニカへの制裁、再審理へ

この記事の要約

国内ブロードバンド市場での独占的地位悪用で欧州委員会から巨額の制裁を科されたスペイン通信最大手のテレフォニカが、同制裁が重すぎるとして提訴している問題で、欧州司法裁判所の法務官は26日、テレフォニカの主張を認め、欧州裁の […]

国内ブロードバンド市場での独占的地位悪用で欧州委員会から巨額の制裁を科されたスペイン通信最大手のテレフォニカが、同制裁が重すぎるとして提訴している問題で、欧州司法裁判所の法務官は26日、テレフォニカの主張を認め、欧州裁の一般裁判所に審理を差し戻すことを勧告した。

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テレフォニカは2007年、自社のブロードバンド通信網を競合会社が利用する場合に徴収する卸売り料金について、独占的地位を乱用し、2001年9月から5年以上にわたって卸売り料金を自社の一般向けサービス料金とほとんど差がない高い水準に設定し、競合会社を圧迫したほか、スペインのブロードバンド接続料金がEUの西欧諸国の平均を20%上回る水準に引き上げられ、消費者にも悪影響を及ぼしたとして、欧州委から1億5,190万ユーロの制裁金支払いを命じられた。

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この制裁は、EUによる通信会社の競争法違反の制裁としては過去最高額で、独占悪用に対する制裁では米マイクロソフトの8億9,900万ユーロに次ぐ史上2番目の規模だった。テレフォニカは制裁が過大として欧州裁の一審に当たる一般裁判所に提訴したが、同裁判所は12年3月に訴えを棄却。同社はなお減額を求めて上訴していた。

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欧州裁の法務官は、テレフォニカの制裁額が、同様のケースでドイツテレコムと仏インターネット接続業者ワナドゥーに科された制裁の10倍を超える点について、一審判決で十分に説明されていないとして、一般裁判所に再審理を命じるのが妥当とする見解を示した。

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法務官見解に法的拘束力はないが、本判決で踏襲されるのが慣例となっており、再審理が確実な情勢だ。

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