2013/10/7

産業・貿易

欧州委がクラウドファンディング規制の導入を検討、12月末まで意見募集

この記事の要約

欧州委員会は3日、ベンチャー企業の資金調達手段として急速に普及が進むクラウドファンディングをEUレベルで規制すべきかどうか検討するための意見募集を開始した。インターネットを通じて個人投資家などから資金を集める同手法のメリ […]

欧州委員会は3日、ベンチャー企業の資金調達手段として急速に普及が進むクラウドファンディングをEUレベルで規制すべきかどうか検討するための意見募集を開始した。インターネットを通じて個人投資家などから資金を集める同手法のメリットやリスクを明らかにして最適な政策の枠組みを構築し、投資家を保護しながらベンチャー企業や中小企業の資金調達を支援するのが狙い。12月31日まで各方面からの提言やコメントを受け付ける。

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クラウドファンディングには資金提供者が資金を寄付として提供する「寄付型」、資金提供者が製品などを購入し、その対価として資金を提供する「購入型」、資金提供者に収益の一部が還元される「投資型」がある。クラウドファンディングは金融危機後の資金調達が難しい時期に、ベンチャー企業や中小企業が資金を集める有力なツールとなっており、米国と同様、欧州でも活用が広がっている。欧州委によると、欧州市場におけるクラウドファンディングを通じた調達資金は2012年に7億3,500万ユーロに上り、前年比で65%の伸びを記録した。

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一方、クラウドファンディングはインターネットを通じて多数の投資家から資金を集めるため、調達資金が本来の目的とは異なる用途に使われたり、プロジェクトの収益が投資家に正当に配分されないといったトラブルが起こりやすい。欧州委はクラウドファンディングに内在する詐欺などのリスクについて関係者が認識を共有し、有効な対策を講じることで、投資家保護を図りながらベンチャー企業が金融市場にアクセスしやすい環境を整えることができると説明している。

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欧州委のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は「クラウドファンディングは急速に重要性を増している。関係する各方面から広く意見を聞いて情報や認識を共有し、クラウドファンディングのプラットフォームを構築・運営する人と、プラットフォームを活用して起業する人の双方を支援するため、EU共通の規制の枠組みを構築する必要があるかどうか検討する」と述べている。

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