2013/10/21

産業・貿易

EUが中国と投資協定締結へ、11月の首脳会議で交渉開始

この記事の要約

EUは18日開いた貿易担当相理事会で、中国との間で投資促進を目的とする「投資協定」の締結に向けた交渉を開始することで合意した。交渉開始から2年半以内の妥結を目指す。EUと中国政府は11月21日前後に北京で首脳会議を開催す […]

EUは18日開いた貿易担当相理事会で、中国との間で投資促進を目的とする「投資協定」の締結に向けた交渉を開始することで合意した。交渉開始から2年半以内の妥結を目指す。EUと中国政府は11月21日前後に北京で首脳会議を開催する方向で調整を進めており、そこで交渉開始を宣言する見通しだ。

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欧州委員会によると、EUが自由貿易協定(FTA)と切り離して投資協定の締結交渉を行うのは中国が初めて。EU加盟国の大半はすでに中国との間で個別に投資協定を結んでいるが、EUとして一本化することで投資家および投資した資産の保護を強化し、投資環境を整える狙いがある。欧州委は交渉のなかで中国側に対し、外国企業の参入を認める条件として現地企業との合弁を義務付ける制度の撤廃や、海外からの投資を制限している金融などの分野で市場開放を求める方針を示している。

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EUと中国の貿易額は過去10年間で2倍に拡大したが、海外から中国への直接投資のうちEUが占める割合は2%にとどまっている。中国では海外の企業が実施した投資を法的に保護する制度が十分に整備されていないことや、進出にあたって現地企業との合弁事業を義務づけられることなどが投資を妨げる主な要因となっており、EU側は投資協定を通じて域内企業の対中投資を後押ししたい考え。ただ、EUと中国の間では太陽光パネルや通信機器などをめぐって摩擦が表面化しており、交渉が難航する可能性もある。

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