2013/11/25

競争法

英の中小企業向け資金調達支援策、国家補助規定との整合性を調査

この記事の要約

欧州委員会は20日、英国で運用されている公的資金による中小企業向け資金調達支援策がEUの国家補助規定に合致しているか検証するため、本格調査に着手したと発表した。利害関係者から広く情報や意見を受け付け、2005年に設立され […]

欧州委員会は20日、英国で運用されている公的資金による中小企業向け資金調達支援策がEUの国家補助規定に合致しているか検証するため、本格調査に着手したと発表した。利害関係者から広く情報や意見を受け付け、2005年に設立されたファンドスキーム「Enterprises Capital Funds(ECF)」を通じて実施された個々の投資案件について、EUルールとの整合性を検証する。

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ECFは産業振興やイノベーションの推進を目的とするスキームの1つで、各種ファンドへの政府出資や民間投資家が出資するファンドを通じ、ベンチャーキャピタルなどからの資金調達が困難な中小企業が出資や融資を受けやすくするめの制度。同スキームは05年に欧州委によって承認されたが、同委が翌年、中小企業向けのリスクキャピタル(自己資本や株主資本など、企業が活用する資本のうちビジネスリスクを負担するもの)による補助スキームに関する指針を策定したことを受け、英政府はECFの一部変更を約束した。

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EUの指針によると、公的資金によるファンドを通じたリスクキャピタル投資が認められるのは、起業前および起業段階の中小企業、拡張段階にある小規模企業、EUが定める国家地域補助(住民1人当たりのGDPがEU平均を下回る地域に拠点を置く企業に対して交付が認められる補助金で)の対象地域にある拡張段階の中規模企業に限定されている。欧州委は予備調査の結果、ECFに基づいて運用されているファンドの一部はEUの指針を順守していないことが判明したと指摘。具体例として、国家地域補助が適用されない地域に拠点を置く中規模企業2社に投資しているファンドや、起業前のシードキャピタルや設立時の起業資本などの形で、同一の受給者に対し複数回にわたって資金提供しているファンドを挙げている。

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