2013/12/2

総合 –EUウオッチャー

オランダの格付けが最上級から転落、S&Pが「AAプラス」に格下げ

この記事の要約

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は11月29日、オランダの長期信用格付けを最上級の「AAA」から1段階引き下げ、「AAプラス」にしたと発表した。景気見通しの悪化を受けたもの。これによっ […]

大手格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は11月29日、オランダの長期信用格付けを最上級の「AAA」から1段階引き下げ、「AAプラス」にしたと発表した。景気見通しの悪化を受けたもの。これによってユーロ圏17カ国で最上級の格付けを維持しているのはドイツ、フィンランド、ルクセンブルクの3カ国だけとなった。

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オランダの国内総生産(GDP)は2013年7-9月期に前期比0.1%増となったが、前年同期比では0.6%減とマイナス成長だった。欧州委員会は最新経済予測で、13年通期は1%のマイナス成長になると見込んでいる。

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S&Pは声明で、「オランダは輸出が伸びているものの、内需の不振を補うには不十分」とした上で、2017年までは実質成長率が08年の水準を上回る見込みはないとしている。

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一方、S&Pは同日、現在は投機的水準の1段階上である「BBBマイナス」となっているスペインの格付け見通しについて、7-9月期に9四半期ぶりにプラス成長に復帰したことを考慮し、「ネガティブ(弱含み)」から「ステーブル(安定的)」に引き上げた。当面は格下げがないことを意味する。

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さらにS&Pは、金融危機でEUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けているキプロスの格付けを「CCCプラス」から「Bプラス」に引き上げた。金融支援の条件として求められている銀行再編などが進んでいることを評価した。

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