2014/1/13

競争法

ホルシムとセメックスの資産交換、独当局に審査権なし=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は6日、スイスのセメント大手ホルシムとメキシコ同業セメックスが欧州の資産を交換する計画について、セメックスのドイツ事業が絡む取引の審査権を独競争当局に与えるよう求めていたドイツ政府の要請を退け、欧州委が引き続き […]

欧州委員会は6日、スイスのセメント大手ホルシムとメキシコ同業セメックスが欧州の資産を交換する計画について、セメックスのドイツ事業が絡む取引の審査権を独競争当局に与えるよう求めていたドイツ政府の要請を退け、欧州委が引き続き審査を進めることを決めたと発表した。

ホルシムとセメックスは2012年8月、保有する資産の最適化とコスト削減を目的に、両社が欧州に持つ一部の資産の交換や統合で合意。ホルシムがセメックスのドイツ部門であるセメックス・ウエストを買収する代わりに、セメックスはホルシムのチェコ事業を取得する。さらに両社はスペイン事業を統合するが、誕生する新会社の出資比率はセメックスが75%となるため、実質的にセメックスが買収する形となる。

欧州委はチェコ事業に関する取引はチェコ当局が審査を行うが、ドイツ、スペインの案件については欧州委が担当することを決め、10月から調査を進めている。しかし、ドイツ政府は、ホルシムのセメックス・ウエスト買収は国内セメント市場の競争に大きな影響を及ぼすとして、同国当局による審査実施を求めていた。

これに対して欧州委は、同取引にはドイツだけでなく、フランス、オランダ、ベルギーのセメント工場なども対象となることから、国境を越えた問題として要請を却下し、引き続き欧州委が審査を実施することを決めた。