2014/1/13

競争法

独の再可エネ賦課金制度を調査、大企業優遇を問題視

この記事の要約

ドイツが再生可能エネルギーの普及促進のため電気料金に上乗せしている賦課金をめぐり、欧州委員会はこのほど、エネルギー集約型企業に対する賦課金の免除措置がEU競争法の国家補助禁止条項に違反する疑いがあるとして調査を開始すると […]

ドイツが再生可能エネルギーの普及促進のため電気料金に上乗せしている賦課金をめぐり、欧州委員会はこのほど、エネルギー集約型企業に対する賦課金の免除措置がEU競争法の国家補助禁止条項に違反する疑いがあるとして調査を開始すると発表した。

ドイツでは電力会社が風力など再生可能エネルギーによる電力を市価より高い固定価格で買い取る制度が導入され、2000年から市価との差額を賦課金として電力料金に上乗せしている。ただ、エネルギー大量に消費する大企業や鉄道に関しては国際競争力を考慮して賦課金を免除されており、対象企業は約2,000社、免除額は総額50億ユーロに上っている。

欧州委は声明で、賦課金の免除はエネルギー集約型企業が欧州から撤退することを防ぐという理由で正当化されるケースもあると考えられるとの認識を示す一方で、こうした措置が競争を歪めている面もあるとの懸念を表明した。

ドイツの産業界では、免除措置が廃止されれば投資家の信頼低下や企業の国外移転につながり、雇用が失われる可能性があるとして警戒感が広がっている。メルケル首相は18日の施政方針演説で、 「ドイツで雇用が危機に直面すれば、欧州は強くなれない」と強調。欧州には企業の電気料金がドイツより安い国もあると指摘し、ドイツが競争を歪めているとは考えていないと述べた。