2014/1/27

産業・貿易

EUの空売り規制に問題なし、欧州裁が英の訴え棄却

この記事の要約

EUが導入した株式、債券の空売り規制を不当として英政府が提訴した問題で、欧州司法裁判所は22日、同規制に問題はないとする判断を下し、英の訴えを棄却した。 金融危機再発防止策の一環として2012年11月に導入された同規制で […]

EUが導入した株式、債券の空売り規制を不当として英政府が提訴した問題で、欧州司法裁判所は22日、同規制に問題はないとする判断を下し、英の訴えを棄却した。

金融危機再発防止策の一環として2012年11月に導入された同規制では、株式、債券が異常な値動きを示すといった緊急時に、ESMAが加盟国に空売り禁止を命じることができる。

これについて、金融主権の維持を重視する英政府は、空売り規制そのものは支持するとしながらも、ESMAの権限は認められた範囲を逸脱しており、EU基本条約に違反するとして、12年5月に提訴していた。

同問題をめぐっては、欧州裁の法務官が昨年9月、英政府の主張を認め、空売り規制がEU基本条約に抵触するとの見解を提示。法務官見解は欧州裁の最終判決で踏襲されるのが慣例となっていることから、同規制が無効となる可能性が高いとみられていた。

欧州裁はESMAに与えられた空売り禁止を命じる権限について、創設時の規則には盛り込まれていなかったものの、ESMAの目的に照らして妥当と指摘し、EU基本条約に抵触しないと結論づけた。