2014/2/3

産業・貿易

欧米版TPPで特別諮問グループ設置へ

この記事の要約

EUが米国との間で交渉を進めている環大西洋貿易投資連携協定(TTIP:TPP[=環太平洋連携協定]の欧米版にあたる)をめぐり、欧州委員会は1月27日、交渉に助言を行う特別諮問グループを立ち上げると発表した。交渉の過程で利 […]

EUが米国との間で交渉を進めている環大西洋貿易投資連携協定(TTIP:TPP[=環太平洋連携協定]の欧米版にあたる)をめぐり、欧州委員会は1月27日、交渉に助言を行う特別諮問グループを立ち上げると発表した。交渉の過程で利害関係者との意見交換を密接に行うことにより、欧州市民にとって最善の結果を達成するのが狙い。

諮問グループは消費者の利益、労働法、環境・公衆衛生、製造業、農業、サービス業など広範な分野の専門家14人で構成される。TTIP交渉の過程で生じるさまざまな課題について、それぞれの専門知識を活かした助言を交渉担当者に行うほか、利害関係者と協議したり、市民社会対話(CSD)を通じた定期的な報告会を行うなど、透明性確保にも貢献する。

欧州委はまた、TTIP交渉の焦点となっている金融サービス規制に関するノンペーパー(非公式文書)を27日に公表。世界金融危機の再発を防止するため、EUと米国との間の金融サービス規制に関する協力の枠組みをTTIPが提供する必要があるとして、交渉項目に同規制を含める必要性を強調した。金融セクターの規制を巡っては、米国側が自国の金融規制改革法(ドッド・フランク法)が骨抜きにされる可能性があるとして、TTIPの交渉項目に含めることに難色を示している。欧州委は、「(規制の)不整合は貿易と投資にとって著しい障壁となるだけでなく、米国とEUの双方が追求しているグローバルな金融の安定を損なう」と指摘。金融規制面での協調が重要であるとの認識を示した。