2014/2/10

産業・貿易

対米FTA交渉、96%の関税撤廃を提案か

この記事の要約

EUは米国との自由貿易協定(FTA)締結交渉で、米国からの輸入品の96%について関税撤廃を提案するもようだ。ロイター通信が6日、複数のEU関係者の話として報じた。EU・米間の関税はすでに低水準にあるが、幅広い品目で関税が […]

EUは米国との自由貿易協定(FTA)締結交渉で、米国からの輸入品の96%について関税撤廃を提案するもようだ。ロイター通信が6日、複数のEU関係者の話として報じた。EU・米間の関税はすでに低水準にあるが、幅広い品目で関税が撤廃されると貿易が一段と拡大し、双方に大きな経済的恩恵をもたらすとみられている。

EUと米国はFTA締結に向けて昨年7月からこれまでに3回の交渉を実施している。欧州委員会のデ・グフト委員(通商担当)と米通商代表部(USTR)のフロマン代表は今月17-18日にワシントンで会談を予定しているが、それに先立ち双方は10日に関税撤廃の提案を交換することで合意したもようだ。

ロイターによると、EU側は◇既存の輸入関税のうち96%を即時撤廃する◇さらに3%の品目について3年または7年の移行期間を置いて関税を廃止する◇牛肉、鶏肉、豚肉など一部の重要品目については関税割当制度を維持するが、無関税の輸入数量の枠を拡大する――を提案するもよう。移行期間を置いて関税を撤廃する品目には商用車や一部の農産品が含まれるという。一方、重要品目のうち牛肉について、EUは昨年、カナダに対する輸入数量の枠を4万5,000トン拡大することで合意しており、米国に対する割当枠はこの2倍以上の水準に設定される見通しだ。

米国もEUと同等の提案を用意しているとみられ、世界貿易の約3割を占める巨大貿易圏で高いレベルの市場開放が実現する公算が強まった。欧州委はロイターの取材に対してコメントを控えている。