2014/2/24

環境・通信・その他

EUアプリ業界が拡大、18年の雇用規模480万人に=報告書

この記事の要約

欧州委員会は13日、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末向けアプリケーション市場の見通しに関する調査報告書を発表した。これによると、EUのアプリ業界の雇用規模は2013年の180万人から18年には480万人に、売上 […]

欧州委員会は13日、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末向けアプリケーション市場の見通しに関する調査報告書を発表した。これによると、EUのアプリ業界の雇用規模は2013年の180万人から18年には480万人に、売上規模は同175億ユーロから630億ユーロに拡大する可能性がある。

この調査報告書は、ハイテク情報会社ギガオムとアイルランド国立大学ゴールウェイ校が欧州委の委託を受けて作成した。EU企業はゲームアプリの分野で世界をリードしており、上位28社がEUと米国の売上上位100タイトルの40%を占めている。上位5社のうち1位をキングコム、3位がスーパーセル、5位をロビオの北欧3社が占め、ドイツ、フランス、英国、スペインの企業も海外市場で大きな成功を収めている。

一方で、EUのアプリ業界は多くの課題も抱えている。独立系およびインハウス開発者の38%が、EU企業は米国企業と比べ給与面で難しい競争を迫られていると回答しているほか、開発者の育成の遅れ、スタートアップ企業のビジネスノウハウの欠如、開発者不足や、女性開発者の少なさなどが問題点として挙げられている。これに対し、欧州委は「デジタルジョブに関する大連合」や「オープニングアップ・エデュケーション」などのイニシアチブを通じて、デジタルスキルの底上げを図っている。

欧州委のクルース委員(デジタル政策担当)は、若者の失業が増加するなか、アプリ市場の拡大は「希望を与えるものだ」と述べた。ただ、アプリやモバイル端末の発展にはブロードバンド網の整備が欠かせないと指摘。域内電気通信市場の分断と接続性の問題を解決するため、電気通信の単一市場の構築の必要性を強調した。