2014/3/24

欧州ビジネスウオッチ

スカニア、VWのTOB拒否

この記事の要約

スウェーデンのトラック大手スカニアは18日、親会社の独フォルクスワーゲン(VW)が同社を対象に開始した株式公開買い付け(TOB)の受け入れを拒否すると発表した。スカニアの将来性がTOB価格に反映されていないためとしている […]

スウェーデンのトラック大手スカニアは18日、親会社の独フォルクスワーゲン(VW)が同社を対象に開始した株式公開買い付け(TOB)の受け入れを拒否すると発表した。スカニアの将来性がTOB価格に反映されていないためとしている。VWはこれに対し同日、TOBの提示額は妥当だとして、引き上げない意向を表明。現在のTOB価格でも目標とする出資比率を達成できるとの見方を示した。

VWは2月、スカニアに対しTOBを実施し完全傘下に収める計画を発表した。VWは自社の商用車部門と独子会社MAN、スカニアの3社による商用車連合の実現を目指してきたが、スカニア側の抵抗で思うように進まないことから完全買収に踏み切る。

VWは現在、スカニアの議決権の89.2%、資本の62.6%を保持している。TOBではスカニア株を1株当たり200クローナ(約22.26ユーロ)で取得する考え。これは過去90日間の加重平均株価をA株で57.0%、B株で53.3%上回る水準で、全株式を取得すると総額67億ユーロに達する(A株の議決権はB株の10倍に上る)。TOBで議決権90%超を確保してスクイーズアウト(少数株主排除)の権利を行使し、スカニアを100%子会社化する意向だ。TOBの期間は3月17日~4月25日。

スカニアは同TOB提案を受け入れるかどうかを、独立した委員会を設置して検討してきた。同委員会にVW関係者は含まれていない。