2014/3/31

総合 –EUウオッチャー

キプロスが資本規制を追加緩和、預金引き出し制限を撤廃

この記事の要約

キプロス政府は28日、金融危機を受けて実施している資本規制の柱である預金引き出し制限の撤廃を発表した。これまで銀行からの引き出しは個人で1日当たり300ユーロ、法人で同500ユーロが上限となっていたが、無制限で引き出せる […]

キプロス政府は28日、金融危機を受けて実施している資本規制の柱である預金引き出し制限の撤廃を発表した。これまで銀行からの引き出しは個人で1日当たり300ユーロ、法人で同500ユーロが上限となっていたが、無制限で引き出せるようになる。

政府は同時に、国内銀行間の資金移動の上限を個人で月2万ユーロから5万ユーロ、法人で10万ユーロから20万ユーロに引き上げると発表。さらに、銀行からの預金流出を防ぐため実施していた個人による新たな銀行での口座開設禁止を解除し、5,000ユーロ以上の定期預金に限って認めることも決めた。

キプロスは昨年3月、EUと国際通貨基金(IMF)から最大100億ユーロの金融支援を取り付けたが、条件として銀行の再編、大手銀行の預金者に一定の負担を強いることを求められたため、取り付け騒ぎを警戒して資本規制を導入。危機が沈静化したことから、段階的に緩和している。ゲオルギアデス財務相は声明で、金融システムへの信頼回復が進んでいることから、資本規制の追加緩和を決めたとしている。

今後も旅行者が一度に国外に持ち出せる額の制限、小切手の現金化禁止は継続されるが、政府は年内の解除を視野に入れている。