2014/3/31

競争法

仏サンゴバンへの制裁減額、車用ガラスのカルテルで

この記事の要約

欧州司法裁判所の一審に当たる一般裁判所は27日、自動車用ガラスのカルテルで欧州委員会が仏サンゴバンに科した制裁金の減額を命じる判決を下した。“再犯”を理由とする制裁の上乗せが過大と判断したもので、約20%の減額となる。 […]

欧州司法裁判所の一審に当たる一般裁判所は27日、自動車用ガラスのカルテルで欧州委員会が仏サンゴバンに科した制裁金の減額を命じる判決を下した。“再犯”を理由とする制裁の上乗せが過大と判断したもので、約20%の減額となる。

欧州委は2008年、サンゴバン、日本板硝子の英子会社ピルキントン、旭硝子、ベルギーのソリベールが1998年から03年にかけて、自動車用ガラスの欧州での販売で価格や各社の市場シェアを取り決めるなどカルテルを結んでいたとして、総額13億8,389万ユーロの制裁金支払いを命じた。EUによるカルテル制裁としては、当時の史上最高額。サンゴバンの制裁額は8億9,600万ユーロで、1社への制裁では最大だった。

欧州委は同社が建築用板ガラスを含め、過去3度にわたってカルテルで摘発されていることから悪質と判断し、制裁額を60%上乗せした。これを不服としとするサンゴバンに対して、欧州委は昨年3月、制裁額の基準とする売上高の算定に誤りがあったとして8億8,000万ユーロに引き下げたが、再犯による上乗せは妥当として、大幅な減額に応じなかったことから、同社は提訴していた。

一般裁判所は、サンゴバンの過去のカルテルには子会社によるものが含まれており、同社の責任は軽いとして、制裁額を7億1,500万ユーロまで引き下げるよう命じた。ただ、制裁は減額後も過去最高。同社は「判決内容を精査して対応を決める」としており、さらなる減額を求めて上訴する可能性がある。