2014/3/31

競争法

自動車排気システムでカルテルか、欧州委が数社に立ち入り調査

この記事の要約

欧州委員会は25日、複数の自動車部品メーカーが排気システムをめぐってカルテルを結んでいる疑いがあるとして、関係各社に立ち入り調査を実施したことを明らかにした。仏自動車大手PSAプジョー・シトロエン傘下のフォルシアなどが調 […]

欧州委員会は25日、複数の自動車部品メーカーが排気システムをめぐってカルテルを結んでいる疑いがあるとして、関係各社に立ち入り調査を実施したことを明らかにした。仏自動車大手PSAプジョー・シトロエン傘下のフォルシアなどが調査を受けたことを確認している。

欧州委によると、カルテル疑惑が浮上しているのは、シリンダーから排出される排気ガスを1本にまとめ、マフラーに送る集合管の排気マニホールド、排ガスを自動車から排出される前に処理する排気触媒コンバーター、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれえる微粒子を除去するディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)など「ホット・エンド」と呼ばれる分野の排気システムや、マフラー、チューブなど「コールド・エンド」系のシステムを手がける部品メーカー。立ち入り調査はEU域内の複数国で25日に実施された。

欧州委は対象企業を公表していないが、ロイター通信によるとフォルシアと独エバースペッシャー、米テネコが調査を受けたことを確認している。テネコによると、独エーデンコーベンの事業所に調査が入ったという。

今後の調査でカルテルが確認されれば、対象企業は全世界の売上高の最大10%に相当する制裁金支払いを命じられる可能性がある。

自動車部品のカルテルをめぐっては、欧州委が19日、ベアリングのカルテルに関与した日欧5社に総額約9億5,000万ユーロの制裁を発動したばかり。