2014/3/31

欧州ビジネスウオッチ

企業景況感が5カ月ぶり悪化、クリミア情勢など響く

この記事の要約

ドイツのIfo経済研究所が25日発表した3月のドイツ企業景況感指数(2005年=100)は110.7となり、前月の111.3から0.6ポイント低下した。景況感の悪化は5カ月ぶり。Ifoのハンスヴェルナー・ジン所長は「新興 […]

ドイツのIfo経済研究所が25日発表した3月のドイツ企業景況感指数(2005年=100)は110.7となり、前月の111.3から0.6ポイント低下した。景況感の悪化は5カ月ぶり。Ifoのハンスヴェルナー・ジン所長は「新興諸国の危機とクリミア半島での出来事が影響した」との見方を示した。

今後6カ月の事業の見通しを示す期待指数が前月の108.3から106.4へと1.9ポイント落ち込み、全体を強く押し下げた。ウクライナのクリミア自治共和国を併合したロシアにEUや米国が経済制裁に踏み切ると、企業は直接・間接的に影響を受けるという事情が大きい。事業の現状判断を示す指数は前月の114.4から115.2へと0.8ポイント増加し、3カ月連続で改善した。

部門別でみると、製造業では期待指数が大きく低下。現状判断指数はこれまでに引き続き上昇したものの、全体ではやや落ち込んだ。卸売業では現状判断と期待指数がともに悪化。小売業は現状判断がやや改善、期待指数が悪化で、全体ではわずかに上昇した。建設業は現状判断がやや改善したものの、期待指数が落ち込み、全体でも低下した。建設業の期待指数は長年の平均を上回っているという。