2014/11/3

総合 – 欧州経済ニュース

欧州委が仏・伊の予算案承認へ、赤字の追加削減を評価

この記事の要約

欧州委員会のカタイネン委員(経済・通貨問題担当)は10月28日、ユーロ圏各国が提出した2015年予算案について、大きな問題はないとする暫定見解を示し、承認する方針を打ち出した。欧州委は仏、伊の予算案を問題視していたが、両 […]

欧州委員会のカタイネン委員(経済・通貨問題担当)は10月28日、ユーロ圏各国が提出した2015年予算案について、大きな問題はないとする暫定見解を示し、承認する方針を打ち出した。欧州委は仏、伊の予算案を問題視していたが、両国が前日に赤字削減を積み増す修正案を提示したことから、容認することにした。

EUはギリシャに端を発した債務危機の再発を防止するため、ユーロ参加国の財政監視強化策として、各国の予算案を欧州委が事前に審査する制度を2013年に開始した。ユーロ圏各国は次年度予算案を議会の承認に先立って毎年10月15日までに欧州委に提出し、審査を受けることが求められる。欧州委は予算案がEUの財政規律に反すると判断した場合、修正を勧告する。2回目となる今回の審査は、債務危機でEUから金融支援を受け、財政規律とは別の枠組みで財政再建を求められているギリシャ、キプロスを除く16カ国が対象となっている。

欧州委は仏、伊、オーストリア、スロベニア、マルタが提出した予算案について、財政規律の順守を怠っているとして問題視していた。とくに大きな焦点となっていたのは仏、伊の2カ国。財政改善の努力が大きく後退したためだ。

フランスが提出した予算案では、15年の赤字は国内総生産(GDP)比4.3%と、財政規律で上限となっている3%を大きく超過。同年に赤字を許容範囲内に収めるという約束に反する。イタリアは財政赤字が上限内に収まっているものの、累積債務が上限を大きく超えており、是正を求められているが、予算案は不十分な内容だった。

両国政府は予算案が欧州委から拒否される事態を避けるため、27日に相次いで修正案を提示。赤字削減幅を仏は36億ユーロ、伊は45億ユーロ積み増した。これによって構造的な財政赤字の削減幅は仏がGDP比0.5%、伊が0.3%となり、当初の0.2%、0.1%から拡大する。

両国の修正予算案は、なお欧州委が求める基準を満たしていない。それでも、カタイネン委員は「欧州委の懸念に建設的に対応した」と評価。オーストリア、スロベニア、マルタも含めて、現時点で「深刻な(規律)違反は確認できない」として、基本的に対象各国の予算案を受け入れる姿勢を示した。

欧州委は11月末までに最終審査を終える予定となっている。