STマイクロと米社、仏に半導体工場開設へ

欧州半導体大手のSTマイクロエレクトロニクス(スイス)と米グローバルファウンドリーズは11日、フランスに共同で半導体工場を開設すると発表した。世界的な半導体不足に対応するもので、2026年までのフル稼働を目指す。

同工場は仏南東部クロルにあるSTマイクロエレクトロニクスの既存工場の隣接地に設置される。回路線幅18ナノメートルの半導体向けウエハーを年最大62万枚生産する能力を持つ。

EUの欧州委員会は2月、域内の半導体研究開発や生産を推進するための「欧州半導体法案」を発表した。30年までに官民で430億ユーロを投じ、開発拠点や生産設備の増強を後押しするほか、有力メーカーの誘致にも力を入れ、東アジアなど域外への依存度を下げて安定供給を確保する。世界の半導体生産に占めるEUのシェアを現在の約10%から30年に20%以上に引き上げるという目標を掲げている。

STマイクロエレクトロニクスとグローバルファウンドリーズは、同法に基づいて仏政府とEUから多額の補助金を交付される見込み。仏政府によると、両社の同事業への投資額は57億ユーロ。補助金の額は未定という。

半導体大手では米インテルが3月、EUが半導体企業の誘致に乗り出したことを受けて、170億ユーロを投じて独東部のマグデブルクに新工場を建設すると発表していた。長期的には長期的には800億ユーロを投資し、欧州での生産を拡大する。

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