トルコ中央銀行は21日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を14%に据え置いた。金利据え置きは7会合連続。ウクライナ戦争が終わることで物価の上昇も鈍化するとの見方を繰り返す一方、戦争の長期化が世界的な経済活動を弱めており、景気後退の可能性が高まっていると指摘した。
同国のインフレ率は6月に78.6%となり、1998年10月(76.6%)以来の高水準を記録した。インフレ率の上昇は13カ月連続で、特に昨年11月からの上げ幅の合計は57.3ポイントに達する。通貨リラ安に伴う輸入品価格の高騰とインフレ期待の上昇、継続的なサプライチェーンの混乱が大きい。
インフレ率の上昇について中銀は、地政学的な緊張の増大に伴うエネルギーコストの上昇や、金融政策の埒外にある供給側の要因、「経済の基礎的な条件を反映していない価格設定の影響」などによるものだと指摘。地域紛争の解決と、物価の安定に向けて講じる「断固たる」措置を背景にディスインフレ効果が現れることを期待し、金利据え置きを決めたと説明した。
中銀は声明で、第2四半期(4-6月期)は観光業が経済成長をけん引したが、エネルギー価格の高騰と主要な貿易相手国の景気後退が経常収支を悪化させかねないと強調。与信の伸びが鈍りつつあることを踏まえ、金融システム全体のリスクを分析して政策対応を行うマクロプルーデンス政策を継続すると表明した。
今後については、インフレ率を5%程度とする中期目標が達成されるまで「利用可能なすべての措置」を取ると明言した。