伊モンテ・デイ・パスキ銀の再民営化、欧州委が期限延長を承認

欧州委員会は2日、経営危機で国有化された伊大手銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(BMPS)の再建に向けたイタリア政府の要請を承認したと発表した。これによって再民営化の期限が延長される。

BMPS は資産額ベースで国内5位の銀行。巨額の不良債権が経営を圧迫し、欧州中央銀行(ECB)がEU内の主要銀行を対象に実施した2016年のストレステスト(健全性審査)で資本不足と判定されたことから、政府が2017年に54億ユーロの公的資金を注入して救済し、国有化していた。

政府はEUから救済の条件として、21年末までにBMPSを再民営化することを求められ、ウニクレディトへの売却に向けた交渉を進めた。しかし、売却額をめぐり双方に大きな開きがあったほか、ウニクレディトが買収の条件として求めたBMPSに対する多額の追加資本注入に財務省が応じず、21年10月に交渉が決裂。政府は7月、欧州委に新たな再建策を提示しながら、期限の延長を要請していた。

欧州委は再民営化の新たな期限を設定しなかった。消息筋がロイター通信に明らかにしたところによると、「数年間」の延長を認められたという。

上部へスクロール