シーメンス、12年ぶりの赤字

電機大手の独シーメンスが11日発表した2022年4~6月期(第3四半期)決算の最終損益は16億5,500万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(13億5,200万ユーロ)から大幅に悪化した。赤字計上は12年ぶり。関連会社シーメンス・エナジー(SE)の保有株で評価損27億ユーロを計上したことが直撃。鉄道設備・車両部門のロシア事業停止に伴うコスト(6億ユーロ)も損益を押し下げた。

本業自体は好調で、産業分野の税引き前利益(EBT)は27%増の28億8,200万ユーロに拡大。同売上高は11%増の169億4,100万ユーロで、売上高利益率(EBTベース)は前年同期の14.9%から17.0%へと上昇した。

金融部門と非中核事業を含む同社全体の業績(継続事業ベース)をみると、売上高178憶6,700万ユーロで、11%増加した。新規受注高は7%増の220億600万ユーロと売り上げを大幅に上回っており、受注残高は過去最高の990億ユーロに達した。8.70

22年9月期の購入価格配分会計適用前の1株当たり利益(EPS pre PPA)については従来予測の8.70~9.10%から5.33~5.73%へと引き下げた。SEの評価損を踏まえたもの。

ドイツで天然ガスの供給不足が懸念されていることについては、シーメンスはエネルギー集約型の企業ではないとして、直接的な影響は小さいとの見方を示した。

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