ハンガリーが反汚職機関設立へ、EUの補助金交付に向け

ハンガリー政府はこのほど、反汚職機関を設立することを決めた。EUのコロナ復興基金からの資金交付が、同国の「法の支配」に問題があるとして差し止められていることに対応する。汚職取り締まり強化の姿勢をアピールし、早期に補助金などを確保したい考えだ。

5日夜に公表された官報によると、政府は同機関を設立する法案を9月末までに議会に提出する予定。11月21日に始動する。

同機関はコロナ復興基金を巡る汚職の防止が主眼。既存の当局の対応が不十分と判断した場合に介入する。

コロナ禍で打撃を受けた経済の立て直しを支援する復興基金では、対象国に返済不要の補助金と融資を行う。ハンガリーは58億ユーロが交付されることになっている。しかし、汚職の横行、人権侵害など法の支配が問題視され、差し止め状態にある。同じ状況にあったポーランドが問題点の是正に応じ、6月に交付が認可され、ハンガリーが取り残されていた。

政府は同時に、反汚職機関にアドバイスを行う作業部会を12月1日までに設立することも決定した。同部会はメンバーの半数が政府代表、残る半数が非政府組織(NGO)代表で構成される。

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