欧州委がテバの制裁手続き着手、多発性硬化症治療薬めぐり

EUの欧州委員会は10日、製薬大手テバ・ファーマスーティカル(イスラエル)が多発性硬化症の治療薬であるグラチラマー酢酸塩(一般名:コパキソン)をめぐり、EU競争法に違反したと認定し、同社に制裁手続きの第1段階となる異議告知書を送付したと発表した。

コパキソンはテバが開発した多発性硬化症の注射剤。同社が2015年まで基本特許を保有していた。

欧州委は2019年、テバが他社によるコパキソンの後発医薬品(ジェネリック薬)開発を阻害している可能性があるとして立ち入り調査を行い、21年3月から本格的な調査を開始していた。

その結果、テバがドイツ、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、チェコ、ポーランドでグラチラマー酢酸塩の独占的な地位を悪用し、不当に特許を延長しようとしたほか、他社が開発した後発薬の安全性、効果に疑問があるかのようなイメージを広げるキャンペーンを行ったと認定。制裁手続きに着手した。

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