2014/4/28

EUその他

欧州議会がMiFID改正案を可決、高頻度取引など規制

この記事の要約

欧州議会は15日の本会議で、より安全で安定的な金融システムの構築に向けた「金融商品市場指令(MiFID)」の改正案を賛成多数で可決した。これまで規制の枠外にあった債権などの投資商品や私的プラットフォーム上での取引を幅広く […]

欧州議会は15日の本会議で、より安全で安定的な金融システムの構築に向けた「金融商品市場指令(MiFID)」の改正案を賛成多数で可決した。これまで規制の枠外にあった債権などの投資商品や私的プラットフォーム上での取引を幅広く規制することや、専用のプログラムを用いて自動的に発注を繰り返す高頻度取引(HFT)に対する規制などを柱とする内容で、市場の透明性向上と投資家保護の強化を図るのが狙い。EU加盟国はすでに法案の内容で基本合意しており、閣僚理事会の正式な承認を経て2016年後半の新ルール導入が見込まれる。

EUでは2007年にMiFIDが施行され、資本市場および投資サービスのための包括的な枠組みとして機能してきた。しかし、規制対象が限定されているため市場の透明性が十分に確保されず、これが金融危機を招く一因になったと考えられるようになった。そこで欧州委員会は金融規制改革の一環としてMiFIDの見直しに着手し、11年10月に金融市場の構造変化への対応や、市場の透明性確保などに主眼を置いた現行指令の改正案(いわゆる「MiFID II」)を発表。加盟国と欧州議会で検討が進められていた。

現行指令は取引プラットフォームを「規制市場(Regulated Market)」と「多角的取引施設(MTF)」に分類し、取引情報などの開示を義務づけているが、規制市場外での取引や、債権や商品デリバティブなどは規制の対象になっていない。MiFID IIでは規制市場やMTFで取引される株式以外の商品についても情報開示義務の対象となるほか、規制市場とMTF以外の私的な取引プラットフォーム全般をカバーする「組織化された取引施設(Organised Trading Facility=OTF)」と呼ばれるカテゴリーが新たに設けられ、これまで規制の枠外にあったプラットフォーム上での取引が幅広く規制対象となる。

一方、相場を乱高下させるリスクの高いHFTに関しては、新たに「アルゴリズム取引」と呼ばれるカテゴリーを設けてHFTを含む自動取引を規制する。ヘッジファンドなど1千分の1秒単位で自動発注をくり返すトレーダーは、自動取引のプログラムに用いられているアルゴリズムの検査を受け、監視当局から承認を得なければならない。また、発注後のキャンセルや変更を含めたすべての取引記録を保存し、必要に応じて当局に提出することも義務付けられる。

さらに投機筋による食料などの価格つり上げを防ぐため、コモディティ市場でトレーダーが一定の時間内に持てるポジション(建玉)に上限が設けられる。欧州証券監督機構(ESMA)が上限の算出方法を決定し、各国当局が実際の上限を設定する。このほか、取引価格が急激に大きく変動した場合に相場を安定させるため、すべての取引施設に対し、取引を一時停止する「サーキットブレーカー」制度の導入を義務付けることも法案に盛り込まれた。