欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/3

東欧・ロシア・その他

ロシア中銀が大幅利上げ、ルーブル防衛で

この記事の要約

ロシア中央銀行は10月31日、主要政策金利である1週間物入札レポ金利を1.5ポイント引き上げ9.5%とした。ウクライナ情勢をめぐる欧米からの制裁や原油価格の値下がりによる通貨ルーブルの下落に歯止めをかけるため、市場予想を […]

ロシア中央銀行は10月31日、主要政策金利である1週間物入札レポ金利を1.5ポイント引き上げ9.5%とした。ウクライナ情勢をめぐる欧米からの制裁や原油価格の値下がりによる通貨ルーブルの下落に歯止めをかけるため、市場予想を上回る大幅な利上げに踏み切った。

中銀は声明で、「原油価格の大幅な下落や一部の国々からの制裁強化など、外部環境に大きな変化があった」と指摘。「その結果ルーブルが下落し、8月に導入された一部の食料品の輸入制限と相まって、消費者物価上昇が一段と加速した」と説明した。

ルーブル安は輸入価格を押し上げ、8月にプーチン政権が欧米による対ロシア制裁への報復として発動した食料品の禁輸措置によってすでに上昇傾向にあったインフレをさらに亢進させている。中銀によると、10月27日時点のインフレ率は8.4%に達し、2015年第1四半期末まで8%を上回る水準に高止まりするとの見方を示した。一方で、今年第4四半期と来年第1四半期の経済成長率はゼロ近辺になる見通しで、経済の減速が鮮明になっている。こうした状況での利上げは資金調達コストを増加させ、景気の冷え込みに追い打ちをかけるおそれもあり、中銀は、「外部条件が改善し、インフレとインフレ期待の持続的低下傾向がみられるようになった場合は、中銀は金融緩和を開始する用意をする」とした。