欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/3

東欧・ロシア・その他

バシネフチが再国有化へ、システマ保有株に没収命令

この記事の要約

ロシアのモスクワ仲裁裁判所は10月30日、ロシアの複合企業AFKシステマが保有する石油企業バシネフチの株式71%を没収し、国有とする判決を下した。2000年代初頭に実施されたバシネフチの民営化と、その後のAFKシステマに […]

ロシアのモスクワ仲裁裁判所は10月30日、ロシアの複合企業AFKシステマが保有する石油企業バシネフチの株式71%を没収し、国有とする判決を下した。2000年代初頭に実施されたバシネフチの民営化と、その後のAFKシステマによる株式取得で不正があったとの検察当局の主張を認めた。

仲裁裁判所アレクサンドロワ判事は、AFKシステマが持つバシネフチの株式を連邦国家資産管理局に移管することを命じるとともに、判決に不服がある場合、AFKシステマは1カ月以内に異議を申し立てることができると述べた。同社は判決を受けて声明を発表し、異議申し立てを検討していることを明らかにした。

バシネフチは国内6位の石油会社で、昨年の生産量は日量32万バレルだった。ロシア有数の富豪であるイェフトゥシェンコフ氏が率いるAFKシステマは2009年、バシネフチとそのエネルギー子会社の株式を取得し支配株主となったが、ロシア連邦捜査委員会は9月、イェフトゥシェンコフ氏が違法な方法で取得したそれらの株式を合法化する過程で違法な資金洗浄が行われたとして同氏を逮捕、自宅軟禁下に置いた。こうした動きをめぐっては、ロシア国営石油会社ロスネフチの最高経営責任者(CEO)でプーチン大統領の最側近であるセチン氏が、バシネフチを傘下に収めるために圧力をかけているのではないかとの憶測が流れている。