ロシア携帯電話サービス大手のビンペルコムは10月26日、イタリアでの合弁会社設立に向けた交渉がとん挫したことを明らかにした。交渉の相手と目される香港のハチソン・ワンポアと、出資比率をめぐって折り合いがつかなかったもようだ。
ロシアの富豪ミハイル・フリードマン氏率いるアルファ・グループ傘下のビンペルコムは、イタリア子会社のウインドとハチソン傘下の「3イタリア」を合併する方向で協議を行っていると報じられていた。これが実現すると、伊携帯電話サービス市場でテレコムイタリアを契約者数で抜く最大手の企業が誕生するはずだった。
ビンペルコムは声明で、交渉相手の具体名は伏せながらも、折半出資の合弁会社設立に向けた協議を行ってきたことを確認した上で、合意に至らなかったことを明らかにした。
消息筋がブルームバーグに明らかにしたところによると、対等合併を求めるビンペルコムに対して、ハチソンが合弁会社への過半数を超える出資を要求して譲らず、話し合いが行き詰まったという。