ユーロ圏貿易収支、9月も赤字に

EU統計局ユーロスタットが15日に発表した9月の貿易収支(速報値、季節調整前)統計によると、ユーロ圏の収支は344億ユーロの赤字だった。赤字幅は2015年以来の高水準だった前月の509億ユーロから縮小したものの、エネルギー危機の影響などで輸入が輸出を大きく上回る状況が続いている。(表参照)

赤字となるのは11カ月連続。前年同月は67億ユーロの黒字だった。ロシアのウクライナ侵攻で輸入依存が高いエネルギーの価格が急騰し、輸入額を押し上げている。

輸出は前年同月比23.6%増の2,596億ユーロ、輸入は44.5%増の2,940億ユーロ。EU27カ国ベースでは輸出が24.0%増の2,320億ユーロ、輸入が48.2%増の2,778億ユーロで、458億ユーロの赤字となった。赤字幅は前年同月の3億ユーロを大きく上回った。

EUと主要貿易相手国の1~9月の収支をみると、対ロシアはエネルギーの輸入額が急増し、赤字が前年同期の443億ユーロから1,257億ユーロに膨らんだ。ロシアに代わるエネルギー調達国として存在感を増しているノルウェーからの輸入は前年同期から161%も増えた。

対日は輸出が前年同期比12.7%増の524億ユーロ、輸入が11.4%増の517億ユーロで、7億ユーロの黒字。黒字幅は前年同期の1億ユーロを上回った。対米は1,132億ユーロの黒字、対中は3,002億ユーロの赤字だった。

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