欧州委員会は7日、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対する第9弾の追加制裁案を発表した。民間人へのミサイル攻撃に関与したロシア軍の将校や政治家など、約200人の個人と団体を制裁リストに加えるほか、ロシアが直接、またはイランなど第三国を通じてドローンを入手するのを阻止するため、ドローン用エンジンの輸出を禁止することなどが柱。全加盟国の承認を経て追加制裁を発動する。
欧州委のフォンデアライエン委員長は声明で「ロシアは意図的に民間人や民間インフラを標的にして、本格的な冬に向けてウクライナを麻痺させようとしている。ロシアへの圧力を強めて残虐行為の代償を払わせる」と強調。EUのボレル外交安全保障上級代表はツイッターへの投稿で、追加制裁はプーチン政権が「冬を武器化したことの直接的な帰結だ」と指摘した。
制裁リストの対象にはミサイル攻撃のほか、ウクライナの子供たちのロシア領内への連れ去りや、農産物の窃盗に関与した人物、政党や軍事企業などが含まれる。
このほか欧州委は主要化学物質や神経ガス、電子機器、IT部品など、軍事利用される可能性のある物品を対象とする新たな輸出規制や、プーチン政権を資金面で支えるロシア地域開発銀行など3行への取引停止を含む制裁を提案している。