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2014/11/10

西欧

ピュブリシスが米サピエント買収、デジタル広告を強化

この記事の要約

仏広告大手ピュブリシス・グループは3日、米同業サピエントを37億ドルで買収することで合意したと発表した。サピエントはデジタル広告に特化した企業。ピュブリシスは買収によって急成長が見込める同分野の事業基盤を大きく強化する。 […]

仏広告大手ピュブリシス・グループは3日、米同業サピエントを37億ドルで買収することで合意したと発表した。サピエントはデジタル広告に特化した企業。ピュブリシスは買収によって急成長が見込める同分野の事業基盤を大きく強化する。

買収は全額現金で行われる。1株当たりの買収価格は25ドルで、前営業日の終値に44%を上乗せした水準となる。2015年1~3月期の買収手続き完了を見込む。

サピエントはデジタル広告で世界最大級の企業で、世界37カ国・地域に拠点を持つ。従業員数は約1万3,000人。14年6月通期の売上高は13億6,000万ドルに上った。

ピュブリシスはグーグルなどのインターネットを舞台とするデジタル広告関連企業の台頭に対抗するため、世界2位の広告会社である米オムニコムと昨年7月に対等合併で合意。誕生する新会社「ピュブリシス・オムニコム・グループ」は売上高が200億ユーロを超え、英WPPを抜いて世界最大手となるはずだった。ところが、合併後の支配権をめぐる対立などで、今年5月に合併を撤回していた。

ピュブリシスによると、今回の買収によってデジタル広告が売上高に占める割合は半分を超える。また、年5,000万ユーロ規模のコスト節減効果も見込んでいる。