欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/11/10

西欧

伊大手銀MPSが25億ユーロ増資、資本不足解消へ

この記事の要約

伊大手銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)は5日に開いた取締役会で、欧州中央銀行(ECB)の健全性検査で指摘された資本不足を解消するための増資計画を承認した。2015年に株主割当増資を実施し、最大25 […]

伊大手銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)は5日に開いた取締役会で、欧州中央銀行(ECB)の健全性検査で指摘された資本不足を解消するための増資計画を承認した。2015年に株主割当増資を実施し、最大25億ユーロを調達する。

MPSは資産ベースで国内3位の銀行。同行は10月26日、ユーロ圏の主要銀行の包括的な健全性検査を実施したECBから、21億1,000万ユーロの資本不足を指摘されていた。不足額は検査対象となった銀行で最高額だった。

同行はユーロ圏の債務危機で経営が悪化し、2013年に伊政府から41億ユーロの公的資金注入を受けて救済された経緯がある。公的資金を返済するため、6月に50億ユーロの増資を実施したばかり。取締役会は同日、資本不足解消のほか、残る11億ユーロの返済に向けて、非中核資産の売却で約2億2,000万ユーロを調達することも決めた。来年初めにまとめる2014年の財務諸表の内容を精査した上で、最終的な増資額を固める方針だ。